次回は 、未定です。


「空振りのトラウマからの解放」

vol.046

氏 名

佐藤信人

所 属

スパ白金

R B 歴

ブランクを挟みながら6〜7年

ラケット

HEAD LASER 205 XL

得意技

球をつなぐことでしょうか?

好きな
プレーヤー

すみません。
有名なプレーヤーを知りません

趣味

旅行、新聞を読むこと

 生まれて初めて本格的に臨んだ球技は、もちろん野球だ。当時、われわれ小学生の間ではテレビ漫画(当時、『アニメ』などという洒落た言葉はなかった)「巨人の星」が大流行しており、最初からサッカー選手を夢見る変わり者はめったにいなかった。

 小学校の高学年になって当然のように野球少年団に入った私は、日曜日の朝練に意気揚々と通い始めたが、そこで予想に反した事態に見舞われた。ボールがなかなかバットに当たらないのだ。つまり空振りである。

 「巨人の星」では、花形満も左門豊作も伴宙太だって、バットを振ればボールは面白いように飛んでいった。ところが、である。ホームランはおろか球にかすりもしないのだ。それまで野球といってもキャッチボールくらいしかやったことがなく、当然といえば当然のことだったのだが、こうした事態を想定していなかった私は、バットを振ることが必ずしもボールに当たることを意味するのではないと知ってうろたえた。そして、野球選手になることをすぐに諦めたのだった。

 大人になってから友人に誘われて初めて行ったゴルフ練習場でも、同じ経験が待ち受けていた。子供のときのように、振ればまっすぐ飛んで行くと信じているほど楽天家ではなかったが、小さいとはいえ止まっているボールである。だが、クラブに当たらないのだ。

 空振りを何度か繰り返すうちに、センスのなさにうろたえた私は、「ゴルフは自分のスポーツではない」と即刻決別を決めた。

 そしてラケットボールである。始めたきっかけは、Doスポーツプラザ(晴海)のスクール生募集の広告。運動不足解消になれば程度の軽い気持ちだった。もっとも、テニスのようにネットがなく、とにかくボールを前の壁まで返せばいいというルールを聞いて、高をくくっていたことは否めない。

 ところが、である。ここで再びあの悪夢が私を襲ったのだ。先生が打つ青いボールは、子供の頃に遊んだスーパーボールのように速く、横の壁をこすった球はどこに落ちるか分からない。つまり、またもや空振りの連続である。

 しかし、これまでと違ったことが一つだけあった。ある日、いつものように空振りをすると、先生が「もう一回!」と大声で叫んだ。空振りしてバックウオールから跳ね返ったボールを、もう一度打てということだ。ラケットボールでは、野球やゴルフと違って、空振りしても挽回できる可能性が残されているのである。そのボールを打ち返すことができた後は、空振りのトラウマから解放され、今では「わざと空振りしたら、後ろにいる相手にボールが当たらないかな」などと考える余裕すら生まれるほどに「成長」したのである。